「美しき地方の時代」と「新陳代謝可能な日本」の創造を目指し・・・

コラム

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「グローバル人材は、地球規模人材」

CEOブログ「e戦略の視点2」
2014/02/07

グローバル人材を育成しようと政府も動いています。

小中高のカリキュラムも変わりつつあり、今後、英語力を強化することになります。

日本に限らず、非英語圏では、教科書的な英語学習は、身につかず、何年も苦労したのに、外国人を見たら逃げ出す中高年が少なくありません。

「グローバル人材」というビジョンは、狭義には、世界の共通語になった英語をスムーズに話すことで、日本という、成熟し、少子高齢で国内市場が縮小する部分を、どんどん海外に行って補填し、次世代の飯の種を探してきなさいということです。

ただし、本来あるべき、グローバル人材ってなんだろうと考えたとき、政府(霞ヶ関)が考える「グローバル」はやや違うのかもしれません。

まずは、グローバル人材の定義を試みます。

ここでは、(1)英語、中国語はどこまで上達したら良いのか、(2)国際化と地球規模化、(3)失敗から学ぶ、(4)リーダーシップとフォロワーシップ、(5)日本への利益貢献、(6)内なる国際化と外なる国際化。に言及します。

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(1)英語、中国語はどこまで上達したら良いのか

英語は確かに大事ですが、英語が苦手で、中国語が得意(あるいは学習中)な皆さんからは、英語じゃなくても良いでしょ?という質問を良く受けます。

私は、英語も中国語もできますが、ビジネス経験では、まず英語を話せることのほうが、アジアで、中国やシンガポール、台湾などで仕事をする上でも、スムーズに行きます。ある意味、箔が着くようなものです。

それと、中国語の上達には、時間がかかり、英語のほうがとっつきやすいこと。英語と中国語の文法が似ているので、英語をやってからでも遅くはないからです。

その英語ですが、英語って、旅行に行って意思疎通が出来る程度で良いのか。発音悪くても、世界的にはみんな訛って話しているじゃないか。単語の羅列でも通じるから、どんどん話そうというのがあります。

どれも正しいのですが、行きつ戻りつ、悩みながら語学は上達しますし、しばらく使わないと錆びついたりします。

ビジネスで英語を話すには、文法(特に、時制、複数・単数、しかるべき英単語)を使っているかなどが確認されます。

本格的に海外で仕事をするには、できれば留学経験があり、学位などを取得していることが必要ですが、必ずしも新卒でではなく、社会人を経験してからの留学でも構いません。

発音などについては、ネイティブ並になるには、小さい頃に住んでいることが不可欠ですが、海外に出ていなくても上手な皆さんがいますので、語学には才能みたいなものがあるのかもしれません。

それでも、発音が悪いと、片言英語だということで、しっかり話を聞いてもらえないのは、観光で来る外国人が話す日本語と、留学し、何年も日本にいる外国人の日本語では、ビジネス時のストレスが異なることからもうかがえます。

(一方では、日本を含め、英語というものは、気楽に、どんどん前に進みましょうとなりますが、他方で、ビジネスやっていく上で、もっとしっかり英語遣いになる。このトレードオフをどう解釈するかは、非常に、難しく、グローバル人材を伝える皆さんによっても、様々となります)

(なお、経験上、関西人のほうが、英語がスムーズに聞こえ?あるいは、海外で現地の方と仲良くなったりしているのを目にします。このあたり、ラテン系で行こうが成功の秘訣かもしれません)

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(2)国際化と地球規模化

なんとなく、英語や中国語ができて、海外で活躍できるというのが、グローバル人材だとイメージしがちです。

きっかけとなった経済産業省の報告書では、

『グローバル化が進展している世界の中で、主体的に物事を考え、多様なバ
ックグラウンドをもつ同僚、取引先、顧客等に自分の考えを分かりやすく伝
え、文化的・歴史的なバックグラウンドに由来する価値観や特性の差異を乗
り越えて、相手の立場に立って互いを理解し、更にはそうした差異からそれ
ぞれの強みを引き出して活用し、相乗効果を生み出して、新しい価値を生み
出すことができる人材。』

(産学人材育成パートナーシップ、グローバル人材育成委員会(2010年4月)http://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/san_gaku_ps/2010globalhoukokusho.pdf

としています。

安倍総理は、平成26年1月24日の施政方針演説で

『意欲と能力のある全ての若者に留学機会を実現します。学生の経済的負担を軽減する仕組みを創り、2020年に向けて日本人の海外留学の倍増を目指します。
「可能性」に満ちた若者たちを、グローバルな舞台で活躍できる人材へと育んでまいります。』

(第186回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement2/20140124siseihousin.html

と、グローバル人材育成への決意を表明しました。

ただし、ここで注目したいのは、グローバルという言葉です。

どうもグローバル人材が、インターナショナル=国際人、国際化と同列に語られているきらいがあるからです。

私が考えるのは、グローバル=地球規模化です。

地球規模で物事を考える。

大航海時代に、船と船員、彼らの食料や健康をしっかり管理し、目的地に行って、物々交換などで、珍しいものを祖国に持って帰ってくる。モノの価格差を利用し、鞘を取る。そうしたビジネスを考えます。

地球規模での課題(イシュー)は、様々ですので、貨幣価値(カネ)で儲かる必要はありません。困っている人を助け、それが社会貢献として、その国を豊かにする。回りまわって、みんなが豊かになるでも構いません。

漠然と、日本では活躍できない、閉塞感がある、武者修行して来たいでも良いですが、出来れば、「目標」をもって、目標に近づくにはどうするかを考えます。

「大航海時代」でも、船が母港に戻るための契約がありますし、食料や燃料などが無くなれば、命に係わることになります。

浦島太郎ではありませんが、出向いた先が楽しく、帰ってくることを暫く忘れていると、時代が変遷し、日本が少し違う方向へと動いていて、自らが海外に出ていくときに考えていた「住み家」(ニッチ)が無くなっているかもしれません。

(住み家(ニッチ)とは、雨風をしのげ、野生動物(巨大企業)が攻め込んでこれない窪みなどをイメージしてください。)

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(3)失敗から学ぶ

グローバル人材=地球規模人材であるとすると、どんな環境でも生き抜けるということが大事になります。

多くは、サラリーマン、サラリーウーマンとして働くわけですが、環境が変わり会社にいたくない、もっと成長したいとなった時に、これまでの学歴や職歴、様々な経験から、次の職場を目指せる人材です。

海外であれば、大学や大学院での専門はより厳しく見られることになりますし、そのときどきで、雇用の継続が約束されていないこともままあります。

プロ野球や大リーグのような世界が待ち受けています。チャレンジすることで、次に繋がりますし、失敗した経験がさらなる飛躍につながることになります。

ツイッターの生みの親が、自らの経験(プチ成功、失敗、少し大きな成功)からどう学び成功したか。以下のコラムが参考になるでしょう。

➡ 「ビズ・ストーン:Twitterを生み出した3つの間違いとは?」wired http://wired.jp/2013/11/25/how-biz-stones-biggest-mistake-spawned-twitter/

なので、まずはやりなはれであり、経験とともに出会える仲間を大事に、次の次をイメージします。

起業においては、一人での起業ではなく、仲間(少なくともあと1人、出来ればあと2人)で立ち上げることが望ましいと考えます。

実際、自らのビジネスに着いてくるスタッフがいないと、他から信用されませんし、2人ぐらい説得できないなら、そのビジネスを売り出すための営業には苦労することになります。

スタッフは、家族なども想定可能ですが、今いる会社、あるいは卒業した学校の同級生や先輩・後輩など、海外で意気投合した専門家(経歴や肩書に留意)なども含まれるでしょう。

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(4)リーダーシップとフォロワーシップ

こうして考えると、グローバル人材には、リーダーとしての資質が求められているように考えがちですが、肩の力を抜き、自然体で臨むことも悪くありません。

そもそもリーダーには、リーダーシップとフォロワーシップが必要となります。

チーム全体をまとめる上では、皆が困ったときに、決断をし、正しい方向に導くとともに、全員で作業をしていて、悩んだり、作業が遅れたものが居る場合、自らか、メンバーの配置換えをしながら、作業の効率化、目標達成を目指します。

強いリーダーがいれば、弱いリーダーがいても良いですし、チームの性格を見ながら、リーダーが前に出たり、リーダーを補佐するメンバーが出てきたりします。

日本のグローバル人材は、欧米系狩猟系の前に前にではなく、皆の話を良く聞き、チームワークをまとめ上げるのが良いのかもしれません。

このあたり、ISS=宇宙ステーションでの日本人船長への期待や、グローバルなインフラプロジェクトでの日本人リーダーの評判が上がっていることはうれしい限りです。

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(5)日本への利益貢献

海外にどんどん出て武者修行をする。

出来れば、海外で成功し、日本が人材輩出の「場」であることを示す。

それでも、どこかのタイミングで、日本に戻り、その経験をさらに次世代に伝える。

行きつ戻りつ、結果、日本に利益をもたらし、国家に貢献したい。

そう私は考えます。

そして、その日本に留学生や仕事で来た外国の皆さんが日本に定住し、日本の良さを地球規模で循環できれば、素晴らしいことだと思います。

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(6)内なる国際化と外なる国際化

このように、ここでは、グローバル人材として、外なる国際化、海外に出ていく話をしましたが、その準備期間として、内なる国際化にも目を向けることが不可欠です。

既に多くの留学生、外国人ビジネスマン、ビジネスウーマンが日本にたくさん入ってきています。

彼ら彼女らと仲良くなり、海外を体験することも、国際化であり、グローバル人材と言えます。

そのとき、観光立国を目指す日本を訪れるのは、台湾や韓国、香港や、シンガポール、そして中国という近隣諸国であることも忘れてはいけません。

アジアの皆さんの多くが、既に日本国内で働いていて、彼ら彼女らも、外国人であるという意識、必ずしも、白人、金髪だけが、外国人でないことも、グローバル人材としては、意識したいところです。

次回以降、グローバル人材のスキルについて、まとめたいと思います。

(国際戦略デザイン研究所 CEO 林志行)




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