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「ウェアラブルの協奏曲と狂想曲」

CEOブログ「e戦略の視点2」
2014/02/04

ウェアラブルについて、そろそろ論じておきたいと考えます。

タイトルの協奏曲と狂想曲ですが、当初、どちらにするか迷いました。

良く考えると、両方の意味合いがあるなぁと。

協奏曲は、独奏楽器と管弦楽器が合奏する曲。コンツェルト。

狂想曲は、一定の形式がなく、自由で機知に富む曲。カプリッチオ。

協奏は、共創であり、強壮であります。

狂想は、競争であり、競走となるでしょう。

前者は、スマホやタブレットとの共用を想定し、ゆるやかな調和が基本。

後者は、独自の進化となります。

いまのウェアラブルは、前者(協奏曲)への対応が前提となっています。

ここでは、(1)ウェアラブルとは?、(2)身に着けることによるリスク、(3)先に豊かになるもの、(4)脱時計の揺れ戻しは起こるのか、(5)メガネは、個性を表す、(6)プライシング、(7)さらなる狂想曲へ。などを伝えます。

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(1)ウェアラブルとは?

ウェアラブルは、身に着くもの。

言葉の定義からは、身に着けるもの全てが対象となり、開発可能性を秘めています。

なので、通信メーカー、携帯機器メーカー以外にも、様々な提案があります。

乗り遅れないように、それら研究開発は2年ほど続けられてきました。

いまあるもの、あるいは付け足すことで、出遅れないためには。

時計、メガネ、洋服生地、靴、指輪…。

特に、時計とメガネに期待がかかります。

プラットフォームをいかに押さえるか。

強者連合で、グーグルやアップルが一歩リードしている状況ですが、まだまだ、先にどういう変化があるか分かりません。

時計でも、メガネでも、日本のデザイナーが率いるベンチャー企業が米国西海岸で開発を急いでいます。

LINEや個電に続き、このウェアラブルでも、日本人のものづくり、感性に期待がかかります。

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(2)身に着けることによるリスク

時計やメガネが注目され、やがて少なくない皆さんが利活用することでしょう。

ただし、身に着けることで、自らの利便性と他人の個人情報を脅かすので、一長一短あると言われています。

特に、個人利用、世界的な流行に結びついた場合でのリスクの拡散です。

既に、迷惑行為として、取り締まる事例が出ています。

米国西海岸では、車を走行中に、グーグルグラスを着用、操作し、逮捕されたのが、違法?の最初のケースと記憶します。

(既に弁護士が担当し、無罪を求め、争ったりしています)

直近では、映画館で、録画機能を外したメガネ型(グーグルグラス)を身に着け、コンテンツを盗んでいるとの疑いをかけられました。

(このケースでは、着用した本人が、度付メガネとして、日頃から常用しているため、違法にみられるとは想定していなかったようです)

映画館以外では、レストランやブティックなどで、グラスを外すように求められいますし、自動車運転時には認められていません。

今は、システム開発者やメディア、SNS研究者、学者などが優先的にグーグルグラスを使用していますが、まもなく、一般にも市販され、開放されていきます。

さらに、想定されないリスク、混乱が登場することでしょう。

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(3)先に豊かになるもの

ネガティブな側面は、既に多く指摘されていますが、では、着用するメリットには何があるのか。

現行先行するのは、医療や軍需など閉じた空間、両手がふさがれた状態でのプロの利用です。

医療現場や軍需では、その豊富な予算、あるいは、使用している機器システムのトータルが高額なため、新しいものを導入しても、さほど困らないと考えられます。

もう一つは、金融取引の世界。金融システムの一部に取り込まれることは、これまでの歴史から、同じように実施されるでしょう。より早く、より定量的に、物事の判断が出来るところで、鞘(アービトラージ)を抜きます。

それ以外では、物流や配送、空港や図書館などでの効率化、スピード化を求め、利・活用されます。これは、セグウェイなどを導入してきた組織や「場」が該当することでしょう。

その先は、何か。

スポーツやエンターテイメントなどで、利用が進むと考えます。

(実際には、すぐに取り込めるということで、スポーツやエンターテイメントが、上記プロ仕様よりも、先に注目を浴びると考えます)

ソチ五輪(2014年2月)には間に合いませんが、競技者がグーグルグラスか、代替するサングラスやゴーグルをつけて、競技をし、それを観衆が楽しむ。サッカーのゴールキーパー、アルペンスキーヤー、F1ドライバーなどが想定可能でしょう。

(さらには、セミプロがプロになるためのトレーニングとして、グーグルグラス+ARを利活用することになります)

エンターテイメント産業ではどうか。

コンサート会場で、パフュームやAKB48 がパフォーマンスの途中にファンに向けた目線、あるいは握手しているときに見つめたものを、自分を見つめているというDVDは、個人が買いたくなることでしょう。

さらに、著作権をクリアすれば、コンサート会場でゴーグルをし、その録画したものを個人利用に限り、持ち帰れるようになるはずです。

その先の、一般への普及にはまだまだハードルが高いとも思われますが、徐々に浸透することになります。

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(4)脱時計の揺れ戻しは起こるのか

そもそも論でいえば、携帯やスマホは「ドミナント・デザイン」であることから、その流行や発展により、「時計」という機能を吸収して来ました。

(ドミナントは、支配的な力強さのあるものであり、いわゆる勝ち組産業です。携帯・スマホ以外ですと、自動車産業が該当します)

携帯やスマホの普及とともに、脱時計が若い世代から始まり、徐々に中高年に普及しています。

(あるいは、かつて若かった皆さん、20代~30代が、30代~40代になった)

かつて、腕時計は必須でしたが、携帯&スマホを常に身に着けているならば、時計は、携帯&スマホで代用できるのではという発想をしたわけです。

90年代後半、セミナーやシンポジウムで、受講者や来場者に向け、腕時計をしているか挙手してもらったりしました。20代や30代は当時、さっさと腕時計を外していることが、明確に分かりました。

それでも、腕時計をするには、理由があります。ブランドが醸し出す雰囲気、自らの趣味や相手の趣向を見出すからです。

こだわる人は、一つ30万円も、50万円も、時計に費やします。

時計や靴を見て、その人物を判断するレストランやブティックもあるほどです。

一方で、時計をさっさと捨て去った人、他方で今でも時計を大事にする皆さん(たとえば、記念品や形見など)。

両方からのサンドバッグに、どう応えるのか。

これが、今の腕時計型ウェアラブルの課題です。

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(5)メガネは、個性を表す

メガネ型でいえば、近視や遠視、乱視は、それなりにコンプレックスとなります。

眼鏡が似合うと言われても、メガネは曇るし、鼻に当たる部分や耳は痛くなります。

眼鏡をかける皆さんは、いかに、快適な、そして自分らしく見える、あるいはかっこよく、美しく見えるものを探しています。

フレームについては、グーグルグラス的には、4種類ほど、フレームを選択できるようになりました。

これらは、やがて、自分がいま身に着けているものの上にかぶせる(クリップオン)が登場することになるでしょう。

それでも、「重さ」をどう克服するかが問われます。

つまり、ファッション性と快適性という、これまで散々メガネをかけている皆さんのニーズに応えることが不可欠です。

それでは、裸眼でいる皆さんだけを対象にしたらどうか。

もともと、メガネをかけていない皆さんに、メガネをかけて、そのメガネが快適で、利便性、特にビジネスやオフタイムが充実したものになるようにするには?

このハードルはなかなか高いのではないかとも思います。

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(6)プライシング

もう一つは、価格の問題。

スマホ連動ならば、1万5000円~3万円。どんなに高くても、5万円を超えることはありません。(協奏曲)

単独で動くのであれば、10~12万円。(狂想曲)。グーグルグラスがこのあたりを狙っています。

あるいは、法人利用で、大量生産などもあるでしょう。

既に、携帯やスマホで7万円~10万円を使い、さらに、5万円足したぐらい。

ラップトップ型パソコンを1台買えるもの。その中に、全てを落とし込みます。

予算が先にありきで、その中に求める機能。

腕時計型であれば、心拍数を測定し、これまで出来ていたものが、小さい画面(含むバングル型のラウンドタイプ)に、違和感なく表示される。

眼鏡型であれば、道案内や人物紹介、あるいはライフログの記録、ビジネス取引のための記録などに使われます。視覚だけでなく、様々な感覚を加味したものへと進化する。

いずれにせよ、価格は据え置き、どこまで「ガラパゴス」化するか。環境に適応し、適度に機能や感性をそぎ落とすかが問われます。

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(7)さらなる狂想曲へ。

独自の進化を促し、競争に勝つ。そのための競走(スピード経営)。

ウェアラブルとは何か。

今一度、考えることが大事になります。

世界的に求められているもの。(協奏曲)

これとは別に、日本的なウェアラブルとは何か。(狂想曲)

まだ、考え付いていないウェアラブルなど…。

このあたり、文章長くなりました。

現在進行形で、コンサルティングしているものがありますので、

また、機会を改めたいと考えます。

(国際戦略デザイン研究所 CEO 林志行)




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