「美しき地方の時代」と「新陳代謝可能な日本」の創造を目指し・・・

コラム

記事一覧へ

「アジアものづくりプラットフォームと知財戦略」 (3/3)

(週刊「世界と日本」 内外ニュース2011/9/5号)

・アジアビジネスの処方箋

 では、日本はどのようにしてアジアものづくりプラットフォームを構成するか。3つの視点を掲げた。

(1)プロセスノウハウ

 ものづくりは、「プロセスノウハウ」をどう獲得するかが全てを決める。

 プロセスノウハウは、小さなものをだんだんと大きくし、早く、滑らかに、効率良く動かすための試行錯誤の過程で、設計図には表れない、どのくらいまでなら耐えうるか、経験で調整していく部分だ。

 これがあるから、私達は、最初に市場にものを出したメーカーを信用し、メーカーが保有する基礎データの中にある真の実力に安心していられるのである。

 ものやサービスそのものだけでなく、それらを統合した総合力で、日本の技術・サービスの連携を訴求する時代が到来したと言える。

 このとき、オールジャパンである必要はなく、海外を日本、日本国内をアジアと見立てたグローバル戦略が不可欠となる。例えば、九州をアジア向け製品の開発の場とする、タイを日本市場向けの生産拠点にするなどが挙げられる。

(2)なでしこ型

 ものづくりの現場がアジアに移るのは、不可避と言えよう。そうすると、日本に何を残し、海外に何を移転するのか。これは筆者の専門である「マザー工場」「オープンイノベーション」の領域であるが、今後大事なのは、闘う「場」の定義を変えることだ。

 震災時には、サプライチェーンの寸断により、ものの供給が遅れ、生産に影響を及ぼしたが、どこから部品の供給を受け、どこで生産するか、万が一の調達力が問われる。

 なでしこジャパンは、監督や選手それぞれが個性を持って、先輩たちから受け継いだスキルをさらに開花させた形だが、メンバーは海外で武者修行する者もいれば、普段は各所属チームで活躍し、女子サッカーの底上げに尽力する。世界大会になると、その都度選抜されて集まる。この仕組みをビジネスに置き換え、インフラ輸出型の共同会社、協働プロジェクトが出来るかがこれから問われよう。

(3)フラットな社会

 最後に、オールジャパンの本当の意義についてだ。良くも悪くも、これまでは、次世代に期待し、下克上で日本は伸びてきた。60代が30代を鼓舞し、後ろから追い上げさせることで40代、50代に発破をかける。しかし、高齢社会に突入して久しいのだから、現役世代を強制引退させてはいけない。それぞれがフラットに、切磋琢磨する社会の形成が欠かせない。適材適所、一体となって、復興を目指せ。日はまた昇る。


←前へ  1  2  3

お問合せは こちら